両者に違いはいろいろあるが、一番大きいのは雇用期間の違いである。正規雇用は「無期雇用」で、定年まで働くことが前提になっている。一方、非正規雇用は「有期雇用」で、長く働くには契約更新が必要になっているケースが多い。
また、正規雇用と非正規雇用では、生涯賃金に約2倍の格差がある。正規雇用よりも非正規雇用の方が待遇が悪いのも一般的だ。
雇用契約面での違い
正規雇用には何があるか
- 正社員
というだけ。なので、「正規雇用=正社員」という認識で問題ない。
{参考}正社員 - Wikipedia
非正規雇用には何があるのか
- アルバイト
- パート
- 派遣社員
- 契約社員
- 嘱託社員
- 準社員
と、正社員以外は全て非正規雇用にあたる。
収入面での違い
生涯賃金の違い
非正規雇用を「フリーター(アルバイト・パート)」に限定するとこれくらいというデータも。
{男性の場合}
- 正規雇用 :約1億7,800万円
- 非正規雇用:約9,800万円
{女性の場合}
- 正規雇用 :約1億3,000万円
- 非正規雇用:約7,600万円
{参考}驚愕!フリーターと正社員の生涯年収の差 - ワークポート
ただし、データの集め方や時代によって変動あり。こういうデータもある。
- 正規雇用 :約2億2,400万円
- 非正規雇用:約1億2,100万円
{参考}生涯賃金 非正規雇用は1億円以上低い 正規と比較 派遣法大改悪で貧困拡大 - 日本共産党
統計データを、ガッツリ信用するのはやめた方がいい。「ああ、これくらいか」と、参考程度に見るのがベスト。ちなみに、僕もザックリ計算してみた。
>>フリーターの生涯賃金はいくら?働く時間と時給で計算して比較
ボーナスの違い
- 正規雇用 :ある場合が多い
- 非正規雇用:ない場合が多い
ボーナスは法律で決まっているわけではないので、「どの会社に所属しているか」でかなり変わってくる部分。ただし、政府の「働き方改革」により、この傾向が今後変わっていく可能性はないでもない。
退職金の違い
- 正規雇用 :ある場合が多い
- 非正規雇用:ない場合が多い
非正規だと、あっても少ない場合が多い。これも、会社によってかなり違うので、何とも言い切りづらい。
仕事の責任の違い
- 正規雇用 :責任のある仕事を任されやすい
- 非正規雇用:責任のある仕事を任されにくい
そもそも、「責任のない仕事なんてあるのか?」という問題もあるが、そこは深堀しないでおく。ちなみに、これも「会社によって違う」としか言えない部分もある。非正規雇用にも、正規雇用と同じような仕事をさせる会社もある。なのに、非正規の方が給料が低いという問題も。そういう問題もあり、「働き方改革」で「同一労働同一賃金」が叫ばれるのだろう。
※「やりがい」については個人の価値観や性格によって感じ方は違うので、雇用形態ありきで議論するのは間違いかと思われる。
正規雇用と非正規雇用でたいして変わらないこと
- 有給休暇
- 社会保険(厚生年金含む)
- 雇用保険
有給休暇は、「雇用形態云々」ではなく、「働く時間」が大きく影響する。
社会保険・厚生年金は、非正規雇用でも条件を満たしていれば強制加入になる。
雇用保険の加入条件は厳しくないので、よほど短期の非正規雇用でもない限り、通常は加入になる。雇用保険の加入条件は、
- 31日以上の雇用見込みがある
- 所定の労働時間が週20時間以上
以上、二つの条件を満たしていれば、加入しなければならない。